データでみる阪神・淡路大震災 その2

阪神・淡路大震災の記憶は風化したか

 
当時、あまり報道されなかったデータに関してみていきましょう。
 

死者の80%以上が圧死だった

 

上の円グラフが示すように、死者の80%は建物の崩壊や家具の下敷きなどにより、震災発生からわずか15分以内に死亡していたことが分かっています。
その内、火災による死者は12%で、かなりの人が倒壊家屋の下敷きで逃げ遅れた結果、焼死されたと考えられます。
問題は何だったのか
 
当時、死者が多かった原因は自衛隊の出動の遅れでも、災害時医療の不備でもなく、自治体の消防力の問題でもなく、家屋の倒壊と出火が防げなかったかという問題なのです。

死者数と火災発生数

 

上のグラフでは、神戸市東灘区の死者数と火災発生数が最も多いことが分かります。
 
あれ? 当時、長田区の火災はしょっちゅう放送されていて、神戸市内でも火災も死者も一番多い印象があったけど...実は東灘区と長田区が一番多かったというのが、現実です。
ただし、人口10万あたりという条件を付帯すると、長田区の火災発生件数が一番多かったということになります。
 
結論として・・・
 
自治体の消防力を高めることも大切ですが、限界もあるかと思われます。
要は、家屋の倒壊→火災の発生への進行を断ち切ることが大切だといえるのではないでしょうか。
まずは、倒壊しにくい家屋を増やすこと、耐震性の高い家を増やすことが重要だということです。